変形性関節症と称される疾患は、人体における関節モーメントが最小となる場合に生じます。関節モーメントが欠如すると、関節の損傷または機能不全が引き起こされます。整形外科用インプラントは、損傷した関節を交換して人体内の患部の可動性を向上させるように設計されています。例を挙げると、股関節、膝関節、肩関節、肘関節に使用されるインプラントは、通常はステンレス鋼からできています。このような整形外科用のインプラント製品のメーカーが、製品の衝撃抵抗のキャラクタライゼーションを行うために自社のコンポーネント(各種インプラント品)を試験することは重要なことです。
Instron 9450はこのような試験要求事項によく適合しています。さまざまな体の部分用のインプラントは形状とサイズが異なっていて、試験はさまざまな特注冶具を用いて実施しなくてはなりません。インストロンでは、9450の底部にボルトで固定したTロットプレートを使用しました。クランプした膝関節インプラントを取り付けた特注冶具を、タワーの台のTロットプレート上に取り付けました。この膝関節インプラントに衝撃を与えるため、45 kNのひずみゲージが付いたハンマーを使用しました。ドロップ式衝撃試験機とともに、力と速度データを採取して衝撃性能を解析するため、データ収集システム(DAS) とBluehill Impactソフトウェアを使用しました。
代替の方法として、Tロットプレートの替わりに写真にあるような汎用のプレートを使用することもできます。これらの多目的に使用可能なプレートをご利用いただくと、メーカー独自の要求事項に従って広範囲の特注冶具を取り付ける際、柔軟に試験を行うことができます。このような衝撃試験は、実際の外科的治療の過程で、現実の生活における低速/高速衝撃を再現することができるレベルまで特注化することが可能になります。
注:お客様の実際の試験構成は機密事項のため、この応用記事には表示されていません。