最近、あまり一般的ではありませんが、大変興味深い手法で衝撃試験を行うことに、関心を持たれるお客様がおられました。このお客様は、様々な固体の、特に鉱業や地球科学系学会における選別的な粉砕システムの開発を専門とされています。このような分野では、鉱物を細かく粉砕する方法の改善が常に追求され、従来技術よりも低いエネルギー消費により、粉砕サイズを小さくする要求を満たすことが目標になっています。多くの鉱業所において、粉砕工程が最も多くのエネルギーを消費し、環境公害とともにコストに大きな影響を与えています。粉砕し易くするため、様々な事前処理により岩石を脆化しています。そのプロセスが原料鉱石に、どの程度の影響を与えているか調べるために、落錘式衝撃試験機による衝撃試験を提案しました。

インストロンは、その過程を完全に再現できるように、9450落錘式衝撃試験機に、特別な仕様の試験治具と専用のタップ、インサートを提案しました。事前にもろくされた岩石や石を汎用の平面試験治具の上にセットします。この平面試験治具は、可変式のスタンドの上に設置されており衝撃負荷が掛かる試験片の高さに合わせて調整可能になります。専用のタップは強化された平面インサートを取り付けてあり、岩石が粉々になるほどの衝撃にも使用できるほど強化されたタップホルダーに搭載します。あとは規定された重量と基本的な試験パラメータを設定するだけです。(衝撃速度もしくは高さの設定)これで試験片に対して特定のエネルギーを与える事が可能になります。リバウンド防止システムでは、タップを捕まえて、試験片に2回目の衝撃が加わるのを防ぎます。小さく砕いた岩石は、衝撃エネルギーの一部を吸収し、多数の小片に粉砕されます。衝撃エリアをカバーする試験槽が、試験により粉砕された全ての小片を収容するので、試験後の試験片に関する詳細な解析とチェックが行えます。

粉砕過程をより良く調べるために、非計装化タップを、力センサーを含んだ特別なものに交換することもできます。センサーは、DASと関連するソフトウェアの、Bluehill IMPACTと併用することにより、衝撃現象の全過程を捉えて、より詳細な解析と調査を行うことを可能にします。

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