ゲント大学(Ghent University)
ゲント大学(Ghent University)
「我々は、研究室から患者のベッドまで、つまりデバイスの開発から臨床医学の現場まで、シミュレーション技術を心より届けたいと思っております。これを行うための重要な側面の一つにモデルの検証があります。モデルの検証においてはインストロン製試験機が最重要な役割を担います。」
Matthieu De Beule博士
ゲント大学(Ghent University)のMatthieu De Beule博士の試験室では医学アプリケーションのための生体液、組織、固体メカニックスに関する研究を行っており、またBeule博士のベンチャー企業であるFEopsにおいても、低侵襲の心臓血管装置のための、現実的で新しいシミュレーション戦略の開発を行っています。
課題
Beule博士の試験室が直面している課題の1つは、シミュレーションモデルの妥当性検証のための、多くの試験を行うことを可能にする柔軟な試験装置の必要性です。Beule博士の試験室における試験は、人の体内環境下をシミュレートするために、非室温および液槽における試験に加えて、特有の位置および方向の試験片を必要とします。
総合的には、できるだけ実環境下に近い形で機械的試験データを収集することが、適切なシミュレーション検証のために極めて重要です。この情報により、医師や臨床医は、手術を行う前に、患者が特定の心血管装置にどのように反応するかをよりよく理解し、予測することができます。
「例えば、博士のチームのモデルの1つは、病変大動脈弁を置換するために使用される経カテーテル大動脈弁移植(TAVI)です。現在、市販されているのは低侵襲性のステントをベースとした製品ですが、この製品は患者により向き不向きがあります。一部の患者では、TAVIの使用が適さず、弁に漏れが生じる可能性があります。サイズ、機械的特性、ステントの種類などのステントの特性と患者のデータを組み合わせたシミュレーションを用いることで、患者ごとにより良い結果予測が期待できます。
ソリューション希望する柔軟な試験を達成するためには、インストロンの5944システムが最良の解決策を提供できることが明白でした。5944システムは、垂直に立てて設置することも、水平に寝かせて設置することもできます。5944システムは、垂直に立てて設置することも、水平に寝かせて設置することもできます。
さらに、バイオボックスの使用では、カテーテルなどの高伸長材料を体内温度で試験するのに有益でした。また本試験室は、BioPuls液槽を使用した完全な液中下で体内温度環境のインプラント製品の試験も行うことができます。5944の柔軟性により、1つのシステムでさまざまな異なった試験を完成させることができます。例えば、ニチノールワイヤーの引張試験、ヒト組織片の引張試験、またはステント全体の曲げ試験は、すべて1台の5944システムを用いて行うことができます。
結果Beule博士の試験室は、インストロン機器により収集した実験データと、製品データ、患者情報を組み合わせることで、患者の結果を予測するためのハイレベルなコンピュータシミュレーションを作成する機能を持っています。この手法により、患者に適したデバイスを予測するために、患者から採取された画像およびデータを用い患者特有のモデルケース作成するのにとりわけ有効でした。
「インストロンのような汎用性の高い装置は、バイオメディカル研究分野においてデバイスの種類、組織の種類、試験の方向が異なるので、大変役に立ちます。その他の試験システムの場合このような試験は実現不可能かもしれません。インストロンの、37℃で試験可能な治具もラインナップしている柔軟性は非常に有用です。」
Matthieu De Beule博士