ダクタイル鋳鉄(ASTM A746に規定)の受け入れ時に引張試験を実施する場合、機械加工済みの試験片を用いて試験を行う必要があります。この試験片は、ショルダーエンド試験片として知られています。時には「ダンベル試験片」、「ドッグボーン試験片」あるいは「ボタンエンド試験片」と呼ばれるこの円形の試験片は、試験の際に試験片をグリップするために用いるショルダーエンドを有しています。
最新のASTM A746試験は、サーボ式制御により特定の荷重速度で実施する必要があり、また0.2%オフセット降伏点及び極限引張強さの正確な計算のために伸び計が必要となります。最近のお客様は、自社のダクタイル鋳鉄管製品が継続的に使用可能であることを地中に埋設する前に保証するため、自動化された制御と正確な測定を要望されます。こういった最近のご要望により、手動速度調整あるいはビーム落下試験のような旧式の試験法は不向きになっています。
インストロンでは、ASTM A746が要求する標準直径0.505インチのショルダーエンド試験片、直径0.750インチの試験片及び小型試験片による引張試験用のシステムを提供してきました。これらのサイズにおける最大要求荷重は約30,000ポンドで、インストロンでは、分割スリーブのショルダーエンド試験片ホルダーをもつSATECTMシリーズの300LX荷重フレームを用いることを推奨します。この引張試験用のグリップは、具体的にダクタイル鋳鉄試験片の試験を行うために設計され、当社のユニバーサル球面張力アダプター(USTA)をもつ試験フレームに適合します。このUSTAアダプターは、試験片に必要なアライメントを提供します。
この300LXの単一試験スペースとデュアルアクチュエータにより、オペレータは容易に試験片を取り付けられます。分割スリーブのショルダーエンド試験片ホルダーは、迅速な試験片の交換を可能にします。この試験片ホルダーは、破断時に破壊試験片の端部も保持して、オペレータに対する安全性をさらに高めています。このUSTAアセンブリーは、負荷時に試験片のアライメントを自動的に調整することができ、ASTM E8のアライメント要求事項を容易に満たすことができます。
「Partnet材料試験ソフトウェア」あるいは「Bluehill材料試験ソフトウェア」パッケージは、ASTM E8及びASTM A746の試験規格を満足するため、必要な制御パラメータと計算アルゴリズムを提供します。さらにこのソフトウェアによって、試験の設定が容易になり、試験作業が効果的に行えるようになります。