この試験法は、広範囲のメルト粘度をもつPVC化合物の品質管理試験に使用されます。この試験は、ポリマー(塩化ビニル)化合物の「メルトフローレイト」(MFRあるいはMFI)の測定に固有のものであり、同時にフローレイトに付随するさまざまなポリマーの不安定性を検出して制御します。この試験法の感度が高いことにより、各種のプロセス条件の相互関係を明らかにするのに役立ち、またプロセス過程における変化を予測する補助として役立ちます。この試験は、温度の影響による熱的不安定性、ポリマー結合の破壊によるせん断不安定性、及び大きく異なる粘度あるいは分子重量成分の不均一分布によるレオロジーの不安定性を含むポリマーの3種類の不安定性の測定にもとづいて、押出し、射出成形、ミリング、あるいはミキシングの際に起こる大きな変化を検出して追跡することができます。
インストロンでは、175℃におけるPVCサンプルの試験の依頼を受けました。インストロンは、全質量20 kgの自動操作可能な電動ウエイトリフター、ピストン排出量測定用エンコーダー、自動切断装置、及び荷重下で予熱する際にダイの栓を閉めるノズル閉止装置を装備した「CEASTモジュールメルトフローテスター」を選びました。PVC材料には腐食性があるため、試験時に材料と金属間の相互作用を防止するため、この装置には特殊な耐食性キットが装備されています。この試験では、入口角120°と、2.095 mm x 23.25 mmの寸法のダイを使用しました。バレルに入れる材料の量は2.15 gです。
このPVCサンプルによる試験結果では、正常な規則正しい流れが示され、また各測定におけるエンコーダーの読取り標準偏差は1%未満でした。測定したMFR値は10分間当たり7.27 gと分かり、また測定メルト密度1.2 g/cm3とともに、関連するMVRは10分間当たり5.99 cm3であることが分かりました。