編み糸の繊維の特性は、その編み糸の機能性と美観に重要な役割を果たします。繊維に変更を加えると、編み糸の特性が改善することもあります。編み糸の開発や開発後の段階では、さまざまな材料の機械的特性を評価するために引張試験が実施され、それらの特性がどのように変化するかが測定されます。また生産段階では、不良品を減らすために、品質管理の方法として 引張試験実施され、材料が仕様通りであるかどうかが確認されます。

非常に繊細な繊維を扱う場合は、しばしば、最適な試験構成の決定が困難なことがあります。このため、試験片を簡単に着脱できるグリップを選定することが重要です。場合によっては、テープ付きのタブを作ると、試験片の取り付けが容易になることがあります。これは、肉眼で見ることが難しいような細い試験片を使う場合に、特に当てはまります。適切なグリップを使用すれば、グリップ部で試験片のすべりや切断が起こらなくなるでしょう。
 
1本1本の繊維は非常にデリケートで、普通はかなり小さな荷重で切断されます。試験システムが最高の精度を達成できるような適切な ロードセル必要になります。インストロンで実施した研究では、ある繊維試験片は平均0.3Nで切断しました。この試験は5500シリーズ試験システムと5Nのロードセルを使って実施しました。5500シリーズの精度は、ロードセル容量の1/250まで指示値の+/-0.5%です。繊維によってはこれより容量の大きいロードセルが必要になることもあります。
 
糸などに使用可能なさまざまなグリップがあります。十分な長さがある試験片の場合は、試験片の早期切断を抑えるキャプスタンを使った コード&ヤーングリップ をお勧めします。このタイプのグリップは、試験片のアライメントを維持することにも役立ちます。上述の研究では、繊維がコード&ヤーングリップには短すぎたため、 5Nの空気圧式サイドアクショングリップ を使用しました。使用するグリップが、ロードセル容量の1/2を超えない重さであることは重要です。ロードセル容量の1/2を超える重さのグリップは、ロードセルの実用荷重範囲を狭めます。
 
試験を実施するにあたっては、ASTM D3822を詳しく読んで、要件を完全にご理解いただくことを推奨いたします。
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