さまざまな木の種類の木材のせん断強さおよび圧縮負荷による木材の接着結合強さの測定は、通常はその母材を代表する小型の試験片を用いて多数の試験を実施することにより確立されています。

木材産業においては、薄い木材片を接着して合板を製造する方法として、あるいは各種の部品を短時間で手軽に結合する方法として、通常接着剤が使用されます。多くの場合、結合部において木材の破損が起こるため、圧縮荷重を受ける際のこれらの接着結合部のせん断性能を評価することが望まれています。木材および木材の接着結合部のせん断試験を管理する一般的な国際規格には、ASTM D143、ASTM D905、ISO 6238、JIS K6802、JIS Z2117、BS 373、およびJAS 601があります。

これらの試験に適する試験装置には、50 kNのロードセルと木材せん断冶具が装備された3300シリーズ機械試験機があります。ASTM D143に記載されているように、せん断冶具は、均一な横方向荷重分布を確実に得るため、調整可能な座を用いて試験片に荷重を負荷することが理想的です。さらにJIS規格では、試験時に試験片を所定の位置にしっかりと保持することが望ましいと規定しています。

さまざまな規格によって定められている異なる技術的な側面を満足することができる冶具を設計することは興味のある課題です。例えばASTM D143には、せん断工具は、支持面の内側端と負荷面の隣り合う端部の面との間に3 mmのオフセットを与えなくてはならないことが記載されていますが、一方JIS K6802には、このせん断線は2 mmのオフセットとすることが記載されています。

複数の規格によって設定される異なるオフセットの要求条件を満足するため、せん断線に沿った隙間を調整することができるように、取付け冶具には隙間調整用シムが備わっていることが望ましいと考えられます。

インストロンは、試験を構成する際にはBluhill®材料試験ソフトウェアを使用することを推奨しています。これにより、特定の試験規格を満足するために、お客様はさまざまな試験パラメータを容易に構成することができるとともに、このソフトウェアは大半の試験規格が要求する結果の計算も提供します。

インストロンは、これらの規格の要求事項を十分に理解していただくために、お客様が規格を検討することを推奨します。

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