従来の接合方法に比べて構造用接着剤の利点が多いことがあきらかになるにつれて、多くのメーカーではこれを使用する機会が増えています。産業界における構造用接着剤の使用頻度の増加にともない、とくに安全上重要な構造物において、衝撃を受けた際に起こり得る性能の低下を評価する必要があります。接着剤のくさびはく離試験法は、衝撃を受けた際の接着剤で結合された接合部の破壊挙動を評価するために開発されました。このくさびはく離試験はISOにより規格化された試験方法で、さまざまな速度とユーザーが定める温度において、構造用接着剤のへき開破壊に対する抵抗を測定するために用いられます。この試験は、2枚の接合面に対して衝撃により押し込まれるくさびから単に構成されています。
この規格に準拠する衝撃試験を行うことにより、新規の接着剤の研究開発を行っているメーカーの役に立つ重要な情報が得られます。環境チェンバーを用いることにより、さらにユーザーはマイナス70℃からプラス150℃という低温から高温までの試験を行うことができます。適した製品がいったん決まれば、メーカーとエンドユーザーの両方が、衝撃性能試験からのベースラインデータを利用して、継続的なプロセスの妥当性確認と品質管理を提供する品質管理プログラムを実施することができます。
このくさびはく離試験を実施する際には、インストロンはISO 11343用の計装化タップと特殊ハンマーを装備したInstron 9450を使用することを推奨します。さらに、正しいデータの収集と分析には、データ収集システムとBluehill Impactソフトウェアが必要です。