ISO 11443:2005は、プラスチック加工時に発生する状態と同様の速度と温度におけるせん断応力を受けるプラスチックメルトの流動性の測定方法を規定します。プラスチックメルトの流動性は、一般に温度に依存するばかりでなく、とくにせん断速度、せん断応力、分子重量、フィラー含有量など他の要因にも依存するため、これらの方法にしたがってプラスチックメルトを測定することが必要となります。押出し型キャピラリーレオメーターにおけるせん断速度は、1/secから106/secまでの範囲におよびます。その結果、キャピラリーレオメーターは、押出し及び射出成形を含むすべてのプロセス条件の範囲をカバーすることができます。
インストロンでは、押出し時におこるさまざまな種類のPPサンプルの流れの問題を解決し、そのプロセスの最適化作業の依頼を受けた際、さまざまな種類のフィラーと添加剤を含む材料のレオロジー曲線を測定するため、Smart Rheo 50を使用しました。フィラーは、一般にPPの原料ポリマーを強化するため、また最終製品に対してより優れた機械特性をもたせるために用いられます。フィラーはまた、ポリマー単体よりも流れをいっそうしにくくすることにより、粘度を高めて流動挙動に影響を及ぼすためにも用いられます。
過大なプロセス速度(せん断速度)に起因する表面欠陥あるいは温度上昇による熱劣化の発生のようなプロセス上の問題の解決に役立たせるため、インストロンは、流動挙動の調整を促すように材料にある程度の添加剤あるいは潤滑剤(プロセス助剤)を添加することを推奨します。インストロンのキャピラリーレオメーターは、実際のプロセス条件における高速変形の下でのさまざまな材料粘度を比較することにより、レオロジー特性の変化を測定し、最適な材料の調整方法を明らかにするためには理想的です。