ポリエチレン(PE)管や管継手のような熱可塑性材料の長期間使用評価では、低速亀裂成長(SCG)の結果から得る長期間経過後の破断現象に対する抵抗力を基にして、材料を評価した上で予め選定する必要があります。近年の素材開発の進展により、PEの亀裂発生およびSCGに対する抵抗力は著しく向上しており、従来の試験方法では現実的な時間軸を超えた長時間を必要としてしまいます。ISO 18489の試験方法を採用すれば、多くのアプリケーションにおける温度範囲に近い常温で、高分子構造の状態を変えることなく試験時間を著しく短縮することができます。材料試験の加速は試験片形状の工夫と繰返し荷重方式によって達成され、試験時間を実際的に短くすることができます。

課題:ISO 18489亀裂丸棒試験方法による試験

• 亀裂発生および低速亀裂成長の結果として生じる、長期に渡る破断メカニズムを調査する。
• 切り欠き付きの円筒状試験片に、繰返し荷重を与えて破断させる。切り欠き先端にクリープを生じないよう、静的な予荷重を避ける。
• 応力範囲と破断サイクル数の相関図を記録する。

インストロンのソリューション:ElectroPuls E3000:繰返し荷重条件における、低速亀裂成長に対する抵抗力の決定

• 一定値±1%の範囲で正確に定義された上限下限間で、時間ごとに様々な荷重を負荷し、記録することが可能
• 低速で成長する脆性亀裂に対する、PE材料の抵抗力を決定
• 管の耐用年数を、迅速に予測
• お客様と共同で設計開発した専用冶具を使用

インストロンの優位性

• 特許になっている剛性ベースチューニングにより、オペレータが複数であっても、高い再現性と信頼性をもった結果を得ることができる。
• ElectroPulsは信頼性の高い試験機であり、停止と再起動の必要がなく連続的に稼働できるので、新しい試験片を準備する時間や手間を省くことができる。
• 広範囲の周波数にわたって高精度の試験負荷を与えることにより、高い信頼度のデータが得られる。

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