ISO 2411は、天然ゴム、合成ゴム、及びプラスチックで被覆された織物の材料への使用に適しています。この試験方法は、乾燥状態と湿潤状態における被覆織物の接着塗布強度を調べるために用いられます。規定された速度で接着層を引き剥がすことにより、最大及び最小接着強度、ならびに平均接着強度を測定することができます。この規格では、原則として2種類の試験片を作成します。1つは材料のたて糸方向の試験片であり、もう1つはよこ糸方向の試験片です。試験片の自由端は、2個のクランプ用固定具のあいだで支持して引張荷重を加えます。これにより、一定速度の変位で試験片の接着層が所定の長さだけ分離します。測定結果は、負荷した荷重の平均値となります。この試験に関しては、すべてのピーク値と靭性値を確実に取り込んで記録するため、分析用試験データのパソコンへのサンプリングレートを100 Hzまで高くすることが重要となります。

インストロンでは、この試験で引張試験機に材料を取り付けてクランプするため、ゴムコートフェースの固定具を用いた空気圧式アクショングリップを使用しました。手動アクショングリップでも作動しますが、当社の多くのユーザーの方々は、使用が簡単で生産性が高く再現性が良い点から、空気圧式アクショングリップが好んで使用されます。空気圧式アクショングリップはクランプ圧力を設定することができますが、一方手動アクショングリップはオペレーターの力のかけ方によって圧力が変わるため、あまり再現性がありません。これらの試験ではグリップ圧力と試験片のアラインメントは非常に重要なことが分かりました。グリップ圧力が大きすぎると早期に破断がおこり、一方でグリップ圧力がじゅうぶんでないと固定具においてすべりまたは破断、あるいは固定具近傍での試験片の破断につながります。インストロンでは、フェースの幅は少なくとも試験片の幅よりも10 mm広く、高さは少なくとも25 mmあるようなフェースを選ぶことを推奨しています。

引張試験システムとしては、シングルコラム卓上型あるいはデュアルコラム卓上型のいずれかを使用することを推奨します。bluehill-3ソフトウェアのような材料試験用ソフトウェアは、この規格にすべてしたがった以下のような作業に理想的です。
・試験片の詳細データの入力
・希望する試験制御目標値の設定
・希望する結果と統計データの自動計算
・試験報告書の作成
この試験の形式では、試験の前にクランプ用のグリップに装着する際に試験片のたるみを取り除くため、Bluehillの予荷重機能を使用します。

試験用取付具と結果に関する要求事項を完全に理解するためには、インストロンでは、ISO2411を検討することを推奨します。

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