衝撃後圧縮試験(CAI)は、衝撃荷重により損傷を受けた繊維強化複合材料積層板の圧縮強さを測定するための試験です。このような損傷は、積層板に落下する物体や飛散する破片などにより引き起こされることがあります。衝撃により、たとえ視認できる損傷が生じなくても、複合材料の圧縮強さは低下することがあります。
衝撃後圧縮試験(CAI)の方法および関連する試験治具の概要は、Boeing®の仕様書BSS 7260に記載されています。この衝撃後圧縮試験で対象とされているのは、主としてアラミド繊維や炭素繊維強化プラスチック(CFRP)複合材料積層板です。さまざまな繊維とマトリックスの組合わせで複合材料積層板の性能を評価するために、幅広く実施されています。
複合材料の圧縮強さを試験する前に、インストロンでは、計装化衝撃試験機を使って指定のエネルギーで衝撃によるダメージをシミュレートしました。代案として、お客様は手動で錘を落とす方法もあるかもしれません。
次に、床置き型万能材料試験機、Boeing CAI試験治具(Cat. No. 2505-003)、Bluehill® 2ソフトウェアを使って、圧縮荷重をかけました。衝撃後圧縮試験治具には、試験片寸法のばらつきに適応できるよう、調整可能なサイドプレートが備わっています。この治具は、試験片の上下端面に垂直な方向から荷重を加える一方で、試験片の座屈を抑制できるように設計されています。