石油、ガス、及びその他の天然資源の試掘を行う場合、多くの場合超硬材料でつくられたドリルビットを用いる地中の頑強な岩石層の貫通作業が必要になります。産業用ダイヤモンドあるいは天然ダイヤモンドからつくられるこのような作業用に設計されたドリルビットは、最大の硬度と耐久性を得るため超高温高圧下の条件で製造されます。これらの製造条件は、磨耗の激しい高速掘削時における作業環境では重要な性能基準となります。
競争力を維持するため、掘削会社はドリルヘッドの岩石貫通速度を最大にするため努力を続けています。早期に磨耗あるいは損傷をおこすドリルビットは、このようなプロセスの速度を低下させます。費用のかかる保守作業を減らして掘削効率を改善するため、ドリルビットの製造会社は、材料、機器および研究開発ラボへの投資に重点をおいています。衝撃試験機は、ドリルビット材料の成分、切削構造、及び製造プロセスを比較するため、これらのラボに見られる装置の1つです。
試験構成と手順
試験の準備では、この産業界が開発した特注の取付け具にドリルビットを約45度の状態で取付けました。試験の実施にあたっては、222 kNドロップハンマー、DASデータ収集システム、Bluehill Impactソフトウェア及び特注ドロップハンマーインサートを装備した Instron 9450落錘式衝撃試験機を用いました。試験片の靭性が高いため打撃を行うたびに超硬製圧子を交換する必要があり、そのためドロップハンマーインサートは、超硬製圧子の挿入/取外しができるように設計しました。
各ドリルビットは、目視により破損(クラック、ビット表面の変色または表面から欠落した材料の変色)の兆候を示すまで衝撃を加えました。お客様方はビットが破損する累積エネルギーレベルを見出すことに関心があったため、使用した試験法では衝撃エネルギーは支配的な因子となりました。