この欧州規格は、せん断挙動の測定に関する装置と方法を規定しています。また、この規格は建材に用いられる断熱製品に適用することができます。
この規格に記載されている試験では、純せん断挙動の測定は行いませんが、せん断性能を測定する他の方法(例、曲げ試験)よりもいっそう厳密に、建材用途における多くの断熱製品にかかる応力、とくに壁にかかる応力を表現するため、試験片の主要な面に接線方向の力をかけることを検討します。
原則として、せん断モードを利用する試験方法が2種類あります。
- シングル試験片配置
- ダブル試験片配置
シングル試験片配置
この試験機は、1枚の試験片に接着した2枚の平行板をとおして長手方向にせん断力を加えます。平行板は、試験機のロードセルに取り付けられたテンションカップリングとベースアダプターに取り付けられます。この試験法には自由度があるため、試験片の板厚変化の影響に対処できます。
試験片サイズ:(L)250 mm、(W)50 mm、(T)100 mm
ダブル試験片配置
この試験機は、2枚の試験片に接着した3枚の平行板をとおして長手方向にせん断力を加えます。平行板は剛体でなくてはなりません。外側の2枚の板は試験機のベースの固定架台に取付けられ、中央の板は試験機のロードセルに取り付けられたテンションカップリングに取付けられます。
試験片サイズ:(L)200 mm、(W)100 mm、(T)100 mm
インストロンは、試験規格に従う適切な試験取付け具とともに、デュアルコラム設計の引張試験システムを使用することを推奨します。
この試験においては、試験機に試験片と取付け具を装着する際に、インストロンはBluehillの試験片保護機能を使用します。これにより、試験前のこの段階における試験片の過負荷が防止されます。この試験法では、次に試験片の緩みを除去するため予荷重まで負荷をかけ、その後、破損が起こるまで3 mm/分の一定クロスヘッド速度で引張り荷重をかけます。この試験においては、せん断強度とせん断弾性係数をPCに取り込んで記録するため、100 Hzの高速インテリジェント試験データサンプリング速度のあることが重要です。
インストロンは、Bluehill試験ソフトウェアパッケージを使用することを推奨します。このソフトウェアパッケージにより、試験片のパラメータを入力すること、希望する速度制御を設定すること、自動的に希望する結果と統計値を計算すること、および最終的に試験報告を作成する、あるいはネットワーク上のデータベースにデータを保管することができます。
インストロンは、試験を実施する前に試験取付け具と結果の要求事項を十分に理解するため、EN 12090を検討することを提案します。