LCD用ガラス基板業界は、LCD TV、ノートブック型パソコンおよび画面の広い携帯電話の人気上昇にともなって、急速に成長しているように思われます。市場調査では、LCD用ガラス基板は通常非常に薄くて0.3 mmから0.8 mmとされています。LCD用ガラスは電子業界において幅広く使用されており、偶発的な落下、衝撃、衝突などの場合のこの材料に対する衝撃レベルを分析するため、メーカーはその機械的特性、とくに衝撃抵抗に関心を示しています。
この材料に関する実際の使用状況下における衝撃を詳細に再現するため、ガラス業界ではこの写真に示すようなエッジワイズ位置における衝撃強さの分析に関心があります。したがって、標準のフラットワイズの落錘試験に加えて、LCDガラス試験片のエッジワイズ衝撃を行うため、インストロンではInstron 9450落錘衝撃試験機における冶具を開発しました。この冶具の設計では、0°および/または90°以外のさまざまな角度と位置において、ユーザーが材料の破損を理解するのに役立つように意図しました。この装置には、衝撃点を常に変わらないように保つため、自動センタリング装置が備えられています。この冶具は、5°、15°、30°、45°および60°などのさまざまな角度の試験片において、エッジワイズの衝撃を実施することができます。
エッジワイズ衝撃試験を実施する際に直面する課題の1つは、ハンマーからの横荷重により偏った衝撃が与えられ、誤った結果が生じる可能性があることです。この問題を避けるため、ハンマーインサートは半球の代わりに半円筒形を使用しました。インストロンは、軸を試験片の端部に直角に向けた直径20 mmの半円筒形のインサートを用いて、厚さ0.7 mmの100 mm x 100 mmの試験片に衝撃を加えました。この特定グレードのLCD用ガラス試験片の0°と30°における吸収エネルギーは、それぞれ平均0.479 Jと0.135 Jの近傍に及びました。
インストロンでは、このような衝撃能力の開発分野においては、さまざまな材料に関して広範囲の試験を実施する可能性が将来的に生じると考えています。