皮膚やコラーゲンなどの多くの軟組織は、極限強さ の小さいデリケートな試験片です。このため、実際の試験システムには、低荷重測定や小さな変位に対する優れた感度が求められます。インストロンの ElectroPuls™試験機は組織やバイオマテリアルなどの低荷重での引張や圧縮、曲げ、疲労試験に必要とされる精確さを備えています。
非常に低荷重での試験では、適切な測定精度と制御を実現するために、ロードセル の選定がきわめて重要です。1N未満の荷重の測定（例えば1gf）には、超低容量のロードセルを使用する必要があります。このケースでは、インストロンはElectroPuls E1000 に容量1N（約100gf）のロードセルを組み合わせました。
ロードセルを正しく選定することに加えて、グリップシステムが使いやすく、軽量でなければなりません。そして、デリケートな試験片がダメージを受けるのを防ぐため、グリップ力の調整が可能でなければなりません。このケースで使用した繊維試験用グリップは、非常に小さな力でグリップの開閉ができます。適切なグリップ力が得られるように配慮されています。コンポーネントと材料を慎重に選定したことで、超低容量ロードセルと組み合わせて使用可能な軽量設計が実現されています。
EletroPlusは汎用性の高い設計により、このケースで必要とされた1N未満の荷重ばかりでなく、1,000 Nを超える荷重にも使用できます。こうした柔軟性は、EletroPlusアクチュエータの位置を制御する先進のアルゴリズムによってのみ達成されます。コントローラに備わる トリ-モーダル制御 などのより高度な制御機能を利用して、荷重ピークを制御することもできます。