残留シール力(RSF)の判定
医療用バイアルの機械試験
注射薬やワクチンなどの非経口薬は通常、ガラスバイアルに包装されます。これらのバイアルは、製品の汚染や漏れを防ぐために、ガラスバイアルと弾性ゴム栓間で堅牢なシールによる密封性を維持する必要があります。残留シール力(RSF)は、このシール品質の評価指標です。
RSFの評価対象となるガラスバイアルは、医療業界でのみ使用されます。RSF試験の重要性を示す好例として、コロナワクチンが挙げられます。一部のワクチンは効果を維持するために極低温で保管しなければなりません。極端に低温になると、弾性ゴム材料が収縮し、バイアルシールから液剤が漏出する可能性があります。RSF試験は、製造業者が原材料や組立工程の評価に役立てるために、考えられる全温度範囲で実施できます。この検証試験は、医薬品が患者に投与されるまでに輸送や保管に耐えることができることを確認するうえで必須となります。
「残留シール力」とは、弾性ゴム栓をバイアルのアルミニウムキャップに配置したときにかかる力を指します。この力の測定値は、バイアルの密閉の安全性を示します。バイアルのシールは、ゴム栓とアルミニウムキャップから構成され、最初に力をかけてバイアルに圧着されます。時間経過に伴って、この圧着力は、ゴムの弛緩作用、キャップが押し付ける力の減衰、各処理手順などによって低下します。
残留シール力の判定米国薬局方(USP)は、容器施栓系の完全性(CCI)の判定基準を記載しています。これは、非破壊的な方法によって漏出を防ぐ容器の性能を評価する指標となります。さまざまな研究により、残留シール力の測定値と容器のCCI性能の間に相関関係があることが明らかにされており、多くのバイアル製造業者が品質プログラムへのRSF試験の採用を進めています。残留シール力の結果は、キャップ装着工程や圧着工程にも関連していて、製造業者はキャップ取付け設定を最適化し、CCIの最大化につなげることができます。
最高クラスの6800シリーズ試験機のカタログ
インストロン6800シリーズ万能材料試験機は、他に類のない精度と信頼性を提供します。特許申請中のオペレーター保護機能に基づき、最新のスマートクローズエアキットおよび衝突緩和機能を搭載した6800シリーズは、材料試験をかつてないほどシンプルに、スマートに、安全にします。
Bluehill Universalのカタログ
Bluehill Universalソフトウェアは、タッチ操作と直感的なユーザーエクスペリエンスを念頭に構築されています。標準装備の試験メソッド、数秒で行われるQuickTest、強化されたデータエクスポート、そしてサービスとの直接通信を提供する新機能Instron Connectなどの機能が、これまでよりもシンプルでスマートな試験を可能にします。Bluehill 2やBluehill 3などの旧バージョンソフトウェアからは、簡単に最新バージョンのBluehillにアップグレードできます。