ASTM A370:鋼材の機械的試験
金属の引張試験
筆者:Michael Boyd
ASTM A370は、金属の引張強度を測定するための、最も広く認知され、包括的な規格の1つです。建設業や自動車メーカーなど、材料の品質が安全性を左右する多くの産業で使用されています。この規格では、引張試験に加え、金属に対するシャルピー衝撃試験、曲げ試験、ブリネル硬さ試験、ロックウェル硬さ試験の概要が記載されています。これらはさらにASTM E-23、ASTM E190、ASTM E10、ASTM E18の規格でも説明されています。
このガイドは、ASTM A370引張試験の基本的な要素について、必要な試験装置、ソフトウェア、試験片の概要などをご紹介します。本ガイドを精読して、その内容に従っても、規格全体を読み、それに従うことには相当しません。
試験メソッド
一般的な金属試験規格の大半と同様、ASTM A370にも応力速度制御、ひずみ率制御、クロスヘッド変位制御の3つの試験コントロールが記載されています。ASTM E8/E8Mでは、これらのタイプの制御は、A法、B法、C法と呼ばれています。ASTM A370では、引張試験コントロールはASTM E8/E8Mの方法を参考に、ASTM A370規格内のさまざまな材料と用途に応じた特有の計算が追加されています。メーカーは一般的に、試験の全期間にわたってクロスヘッド変位を使用して試験を実施するか、弾性係数の計算では応力速度制御に依存し、その後、試験の残りの期間についてはクロスヘッド変位制御に切り替えます。以下のビデオでは、「ひずみ率制御」の方法についてより詳しく説明しています。
総吸収エネルギーに関するシャルピー衝撃試験については、A370の一般セクションと付属書A5の両方で詳しく説明されています。この試験は、この規格に記載されているほとんどの鋼材の製造に必要な試験です。試験片の寸法は明確に定義され、さまざまな破壊タイプの画像による例も掲載されています。詳細情報については、ASTM A370はシャルピー衝撃規格ASTM E-23を参照しています。インストロンは、Bluehill Impactソフトウェアを搭載したMPXシステムなど、300ジュールから900ジュールまでの適切なソリューションを提供しています。
計算と結果
ASTM A370試験で必要とされるすべての計算は、Bluehill Universalにあらかじめ設定されています。ゼロから独自の方法を構築したい合は、手動入力した計算を構成して、ASTM A370に準じた試験を簡単に行うこともできます。また、金属試験メソッドパッケージでは、ASTM E8/E8M、ASTM 615、ASTM E646、ASTM E517、ISO 6892-1、EN10002、ISO 10113、ISO 1027のすべてに準じた、あらかじめ構築された方法を提供します。
高容量万能材料試験機のカタログ
インストロンの高容量試験機には、電気機械および高荷重の油圧式試験システムが含まれ、引張および圧縮用途に対応します。荷重容量は100 kN~2,000 kNです。
最高クラスの6800シリーズ試験機のカタログ
インストロン6800シリーズ万能材料試験機は、他に類のない精度と信頼性を提供します。特許申請中のオペレーター保護機能に基づき、最新のスマートクローズエアキットおよび衝突緩和機能を搭載した6800シリーズは、材料試験をかつてないほどシンプルに、スマートに、安全にします。
油圧式サイドアクショングリップ(DuraSync)
インストロン油圧式サイドアクショングリップは、高荷重試験を前提に設計されています。試験片に対し、引張荷重とは無関係に、試験方向に垂直な一定の把持力を保ちます。
2743-401油圧式くさび型グリップ
インストロンの100 kN油圧式くさび型グリップは、高荷重試験のための革新的なソリューションであり、グリップ機能、利便性、オペレーターの安全性が強化されています。
IndustrialシリーズのDXモデル
1台で2つの試験空間を有するこれらのフレームには、300 kNおよび600 kNの容量があります。IndustrialシリーズDXモデルは、高荷重の引張、圧縮、曲げ、せん断試験用に設計されています。