耐衝突性能は、最新の自動車設計における重要な部分です。衝突条件下においては、構造材料は非常に高いひずみ速度と負荷速度を受けます。自動車ボディに用いられるスチールあるいはアルミなどの材料特性は、多くの場合ひずみ速度に敏感です。その結果、準静的応力-ひずみデータは、高ひずみ速度においては正確な挙動の予測にはならないかもしれません。動的負荷のかかる構造物の分析・設計においてこのようなデータを使用すると、慎重な判断による過重量の設計にいたるか、あるいは早期に構造破壊を生じさせることになる可能性があります。
インストロンの油圧サーボ式VHS高速システムは、金属研究者に対して衝撃試験及び高ひずみ速度試験に関する広範囲な能力を提供します。このVHSシステムは、サイクル試験機能を提供するとともに、準静的状態から衝撃速度までの試験を実施するように構成することも可能です。
このシステムには、静圧軸受とシールレスピストンロッドを特徴とする非常に高性能の油圧アクチュエータが組み込まれています。また高性能制御弁を用いることで、これらのシステムは、毎秒最大25 m(81フィート)までの速度に設定することができます。高スチフネスの2コラム負荷フレームあるいは4コラム負荷フレームとの組合せにより、先進8800制御システムと「プロファイラー」ソフトウェアがほぼ一定速度を実現することで、お客様のお手伝いをすることができます。試験の正しい設定速度にアクチュエータが到達すると試験片を瞬時にグリップするように、特許権を有する「Fastjaw」グリップを利用します。
高スチフネスの圧電式ロードセルと、5 MHzまでの高速下における応力-ひずみ曲線をすべて記録する高速データ収集システムを用いて、試験荷重を測定します。これらの装置の特徴は、金属研究者が今まで一度もできなかった詳細な水準で自分たちの対象材料を評価することを可能にします。高速試験を実施するためには、インストロンのConsole softwareの下で作動する「HighRate」ソフトウェアプログラムの使用を推奨します。これらのソフトウェアは、試験の設定、発射、データ収集及び観察に関するただ1つのユーザーインターフェースを提供します。先進分析技術用には、Impulseソフトウェアの使用を推奨します。