緊張する過酷な射撃競技は、何世紀にもわたって競技が行われてきましたが、再び世界中で人気が上がっています。競技用の射撃競技は、ライフル、ピストル、ショットガン競技の3つの分野に分かれます。ライフルとピストル競技では、競技者はある決まった距離(10 m、25 mまたは50 m)から10リング・ターゲットを狙います。競技選手は、競技ごとに立射(立って構える)、膝射(片膝を立てる)または伏射(伏せて構える)の姿勢から射撃することが要求されます。ショットガン競技では、競技者は、自分の頭上と前方に打ち出される動くクレー・ターゲットを撃ち落します。スキート射撃は、競技用ショットガンのターゲット射撃スポーツ主要3種目のうちの1つです。他の2種目は、スポーティング・クレーとトラップです。

スキート、トラップ、スポーティング・クレーの競技者は、早い速度でかつさまざまな角度から空中に飛び出すクレー(粘土)の皿を割ろうと試みます。このために選ばれる小火器がショットガンです。弾丸を撃つライフルとは異なり、ショットガンは、ショットガンから撃つように特殊設計されたショット(ペレット)が装弾された内蔵式カートリッジのシェルを発射させます。シェルの内部にはペレットを保持する「ワディング」と呼ばれるプラスチックのカップがあります。プライマーを用いて火薬に点火すると、ワディングとペレットが銃身から撃ち出されます。軽いプラスチックでできたワディングが銃身から空中に打ち出されると、ワディングの速度が落ちて、その惰性でペレットがその進路に沿って運ばれます。適切に設計/製造されたワッズは、膨張するガスをショットチャージの背後に維持するため、発射時に極めて重要な役目を果たすガスシールを形成します。ワッズは、弾丸の火薬とショットチャージを正しい容積に調整し、また変形を少なくするためペレットの緩衝材となってスペーサーとしての役割もします。欠陥のあるワッズは、銃身にペレットをきつく詰まらせて、ペレットがショットガンから予期した経路で出て行くことを妨げてしまうため、射撃が失敗に終わります。

インストロンに、あるショットガンシェルのサプライヤーから相談があり、この会社のプラスチックワッズに関する計装化衝撃試験を実施することになりました。組み立てたところ、材料の管理ロットから製造された完成品は予期したとおりの性能を発揮しました。しかしながら、材料のサンプルロットから製造されたシェルは、常に正しく機能しませんでした。この試験では、インストロンは、高エネルギーオプション装置付きのCEAST 9350、計装化ドロップハンマー(タップ)、DAS(データ収集システム)とソフトウェアを使用しました。プラスチックのワッズをできる限り最終用途に近い状態で保持する特注の取付け具を作製しました。この取付け具には、タップインサートがワッズを完全に通過することができるように、底部に小さい貫通孔がありました。プライマーチャージを模擬するために、特注のタップインサートを作製しました。高エネルギーオプション装置を利用して、実際使用する際にワッズの底部が受ける力の大きさを模擬することを狙ってクロスヘッドが高速で発射されるように設定しました。

この試験の構成に使用された機器に関する詳細に関しては、下記のリンク先の資料をご参照ください。

続きを読む ...