静的/動的試験機に対応した3119-600シリーズ恒温槽は、材料特性評価のための広範な温度環境を提供します。恒温槽は、幅広い規格寸法を取り揃えており、試験機に固定したり、ローラーブラケットに取り付けることができます。また、必要に応じて、カスタムマウンティングを使用した試験機のその他特注品にも取り付けることができます。さらに、お客様のアプリケーションが当社の標準的な恒温槽やグリップ、治具の仕様から外れていても、完全なソリューションを提供することができます。
動作原理
インストロンの恒温槽は、熱風または冷風が試験片、グリップの周囲を循環し強制的に対流する仕組みを採用しています。また延長ロッドを使用した時も、最適な加熱/冷却速度、および良好な温度安定性を提供します。恒温槽の裏側から空気を取り入れ、外装パネルと断熱材の間のスペースを通って、槽前面の左右から排出されます。これにより、恒温槽の筐体面を冷やすことができます。選択可能な送風速度は、恒温槽内の気流の乱れの影響を低減でき、繊細な試験片であっても試験することが可能です。
特徴とメリット
ヒーターに空気を通過させることによって加熱されます。シリーズの恒温槽すべてに加熱機能が標準装備されています。冷却は、オプションの冷却弁を経由して、液化窒素もしくは液化炭素ガス(LCO2またはLN2)を恒温槽内へ噴射し行います。極低温ガスは通常、シリンダー(液体CO2)または自己加圧型デュワー(液体N2)に貯蔵されます。排気は、シリコーンゴムパイプを取り付け、槽外に排出することができる専用ポートが槽の後部にあります。
試験片の取り付けは、右開きガラス窓付き扉より行います。必要に応じ、槽内を明瞭に見るための内部照明を点灯することもできます。また扉が開くと、自動的に加熱、冷却、ファンを停止し、オペレータに温風/冷気が届かないようにします。
恒温槽に取り付けられたEurotherm3208温度制御装置を使用して、ご希望の設定温度を選択します。温度は、恒温槽内のタイプN熱電対によってモニターおよび制御がされます。コントローラーは、定められた加熱速度と保持時間(8セグメント)でプログラムでき、同様にUSB経由でインストロンソフトウェアと通信できます。また、データロガーのような他のデバイスを用いるために、0~10Vのアナログ出力もあります。
3119-600シリーズ恒温槽は、高温および低温度で使用するためインストロン製アクセサリーと互換性があり、延長ロッド、圧縮ロッド、伸び計、グリップ、および治具を幅広くご提供しています。
標準の恒温槽を超える機能が必要な試験アプリケーションには、エンジニアソリューショングループが、グリップや治具に合わせた高さ拡張型または幅拡張型恒温槽の他、より高い温度範囲を持つ恒温槽、特注のロードストリング部品など、お客様のご要望に合った特別な恒温槽を設計することが可能です。