金属製歯列矯正器具は歯並びを矯正するときに使用される最も代表的な歯列矯正器具であり、通常、高品質のステンレス鋼かチタンで製造されています。金属製歯列矯正器具は物理的に歯に装着されるブラケット、そのブラケットを確実に歯に装着する接着剤のような接合材料、ブラケットを一体に連結するアーチワイヤ、および通常O-リング材料と呼ばれるエラストマーから構成されています。近年では、美容的な理由から、金属製歯列矯正器具に代わり、プラスチック製やセラミック製のきれいな歯列矯正器具が人気になってきています。歯列矯正器具を必要とする患者にとって、歯列矯正器具の準備と使用は費用も時間もかかります。歯列矯正器具は、適用期間の患者が飲食する日常生活において、歯を固定した状態である必要があります。患者ごとに異なり、また歯列矯正器具に関わる構成部材は多数あるので、全ての部品と事例について試験を実施するのは複雑で大変な作業になります。
1セットの歯列矯正器具の各構成部材について試験するためには、6800 シリーズや3400 シリーズのような万能試験システムをBluehill® Universal ソフトウェアとともに使うことが推奨されます。Bluehill Universalソフトウェアの柔軟な操作性により、引張りや圧縮、曲げ、引剥がし、引裂き、そして摩耗試験について、様々な設定を迅速に行うことができます。そして、ブラケットの圧縮強度特性、接着剤の引剥がし特性、金属ワイヤおよびO-リング材料の引張り強度について試験することができます。ブラケットの試験については、2インチの圧縮盤の使用を推奨します。接着剤の試験では、歯を模擬した材料に接着した接着剤について、90度引剥がし試験を行うことを推奨します。ワイヤの引張試験については、金属ワイヤの径に応じて、空気圧式コード&ヤーングリップを使用することが最も適切なグリップ方法でしょう。最後に、エラストマー製O-リング材料の試験では様々なO-リング寸法に対して、剛性やひずみ、引張り強度特性を測定できるように設計された専用のOリング治具を用意しています。