椎間板置換術は、椎間板変性症に起因した腰痛治療のための手術です。伝統的な脊椎固定術と比べて、この手術の利点は脊椎の動きを維持または回復でき、脊椎の隣接部における健康な椎間板の変性を遅らせる効果があることです。人工椎間板は生理学的な運動時の負荷に対して耐えるように設計され、長年月にわたり体内に痛みや故障を起こすことのない手術法です。メーカーや設計者にとって、特定の製品に関する静的および動的な性質を把握することは、製品が検証され受け入れられるために重要なことです。ASTM F2346は、人工椎間板の静的強度と動的疲労性質を評価する手法を示しています。この規格の試験方式は、人工器官の設計について科学的かつ厳格に検証することを目的にしています。1000万サイクルの繰返しと軸方向およびねじり方向に負荷する試験が必要になっており、試験システムがこのような機能要求に対応でき、高精度の結果を出せることが重要です。また、このような試験を湿潤な環境で実施することが必要なので、システムはさらに複雑になります。
8874リニア‐トーション二軸システムは、温度コントローラや再循環ユニットと組み合わせることにより、さまざまなインプラント製品について静的試験および繰り返し試験を実施することができます。生理食塩水循環と温度が制御される液槽(バイオバス)により、安定した環境を実現できます。8874システムの軸方向およびねじり方向が組み合わせられたアクチュエータと専用治具を用いることにより、従来のメタル-オン-メタル設計およびメタル-オン-ポリエチレン設計の関節円盤部位について、軸方向圧縮、圧縮せん断、圧縮ねじりの各モードの評価を実施することができます。また、使用条件下の椎間板を模擬した軸方向負荷に耐えるエラストマー製部材を特徴とした次世代型人工器官にも試験が適用できます。