電気ケーブルとワイヤは、どのエレクトロニクス・システムにおいても、基本的な部品です。ヘッドフォンや充電ケーブル等のワイヤ状の付属部品は、デバイスおよびユーザーにとって不可欠な部品です。今日の自動車組立において、とりわけ電気自動車では、電気ワイヤやケーブルのハーネス部品が何十倍にも増加しており、電力やエンジンの運転制御信号、自己診断機能、ダッシュボード制御等々のネットワークに利用されています。その結果、OEM企業にとって、様々な使用条件におけるケーブルとワイヤの信頼性を把握することが、ますます重要になっています。これら部品の損傷は、最終製品の損傷リスクを増大し、特に自動車においては危険をもたらすことになります。また、ケーブルハーネスとワイヤの組立過程では、取り扱いやパッケージングを通じて、損傷のリスクが発生します。環境的な効果も、ケーブルの絶縁に影響を与え、銅製リードを露出させたり、機能障害を起こすこともあります。
このような課題に対応するにあたり、引張試験は、ケーブルとワイヤの信頼性解析に関して推奨できる機械的試験の1つです。インストロンは、様々な寸法のケーブルをクランプまたは保持するように設計された、広範なグリップを用意しています。一般的には、空気圧式グリップが、ワイヤとハーネスを保持するのに推奨されます。更に、恒温槽が用意されており、インストロンのシステムおよびBluehill@ Universalソフトウェアと組み合わせて使用できます。予加熱や予冷却等の機能があり、使用条件を再現した試験が可能です。 伸び計を用いることにより、ひずみとヤング率の測定が可能になります。Bluehill® Universal ソフトウェアによって得られる引張強度の結果は、ケーブルの破断強度データを明示してくれます。インストロンのカスタムソリューショングループ は、試験片の制約や要求に対応して、専用の治具や付属品を開発することができます。