課題
構造物や個別部品は、予測耐用年数算定に基づいて開発されます。算定された耐用年数の間は、製品がフェイルセーフであることを保証することを意味します。しかしながら、予測耐用年数算定の検証は、変位や荷重、環境を含めた使用条件の実際的なシミュレーションを伴った、ラボ試験を通じて実施されなければなりません。
使用時の荷重は、材料や部品、システムモジュールに、制御された方法で負荷されなければなりません。この目的に必要なアクチュエータは、精度や制御性に関して最高レベルの要求に適合しなければ信頼性の高い結果を得ることができません。さらに、このようなアクチュエータは、長年に渡って堅牢で、高い信頼性をもって操作できる必要があります。
インストロンのソリューション
Hydropuls®リニアおよびロータリーアクチュエータは、油圧エネルギーを、供試体にかかる変位や力に変換します。アクチュエータは、8800ml制御エレクトロニクス装置およびサーボバルブにより、正確に制御されます。Hydropulsアクチュエータは、単軸試験機から多軸試験システムまで、静的・動的試験アプリケーションに用いることができます。Hydropuls®アクチュエータには、高精度で高生産性の操作を実現する多くの独自な特徴があります。
ピストンロッドのハイドロスタティックベアリング（油圧静圧軸受）とピストンロッドの非接触シーリングは、Hydropuls®アクチュエータシリーズのユニークな部品です。その結果、準静的および動的試験において、変位と力の全範囲に渡り、シリンダーはヒステリシス効果を受けません。機械的シールがもたらす、摩擦や損耗を生じないので、停止時間とメンテナンスが最小化されて、連続的に試験を継続することが可能です。ハイドロスタティックベアリングは、構造物試験や供試体破断において、しばしば発生する横方向の非常に高い荷重にも対応できます。
Hydropuls®の名前が意味する特長は次のとおりです。
- 最も高い精度と荷重制御
- 長い耐用年数と優れた操作安全性
- 最小で済むメンテナンス
- ドイツで設計製造され、実証済みの最高品質
代表的な用途は次のとおりです。
- 材料と部品の評価
- 材料と部品の静的および疲労試験
- 単軸および多軸入力シミュレーション
- 振動および衝撃試験
- 乗り心地解析（例、シート）
- NVH試験
- 品質管理
PL型 Hydropuls®リニアアクチュエータ
Hydropuls® リニアアクチュエータは、制御された力や、ピストンの長手方向の運動、速度、加速度を発生する、強力かつ高度に動的なアクチュエータです。PLの標準シリンダーは、5kNから20MNまでの容量のラインナップがあります。変位振幅としては、標準として、+/-200mmまでが用意されています。作動圧力280barに加えて、作動圧力210barのバージョンのシリンダーも揃えております。必要に応じて、お客様の仕様に基づいた特殊シリンダーも用意することができます。
Minipuls PLF型 Hydropuls®長手方向アクチュエータ
PLF Minipulsリニアアクチュエータは、1Hzから1000Hzまでの振動数範囲で使われます。このアクチュエータは、7kNまでの力を発生することができ、特に、高振動数範囲において最小レベルの力振幅で正確に制御する試験に適しています。例えば、エラストマー評価用の高振動数試験機において使われます。
PD型 Hydropuls®ロータリーアクチュエータ
Hydropuls® ロータリーアクチュエータは、材料試験片や部品に、制御された準静的または動的なトルクやねじり振動を負荷する機械的試験において使われます。Hydropuls® ロータリーアクチュエータの標準シリーズは、0.5kNmから64kNmまでの公称トルクを+/-50°までの回転角度で負荷できます。必要に応じて、特殊な公称トルクと角度振幅に対応する、特殊シリンダーも用意することができます。