課題
油圧サーボによるリニアおよびロータリーアクチュエータや、試験機や試験システムに、油圧作動油を供給するため高品質の油圧供給ユニットが必要になります。サーボバルブを使用するので、作動油の高純度を確実に維持するメンテナンスが行われ、バルブの長期耐用年数を確保することが必要です。油圧サーボシステムでは、圧力および作動油速度が高いので、非常に小さなゴミ粒子でも、サーボバルブの制御部分を摩耗します。
油圧ユニットは、昼夜なく連続的に稼働するので、メンテナンスの実施や使い勝手の良さは、重要な留意点です。さらに、油圧ユニットは現在、ラボの安全性やエネルギー消費、環境適合性の観点で厳格な規格に準拠する必要があります。
インストロンのソリューション
インストロンの油圧動力供給ユニット(HPU)は、高圧力油圧分野における長年の経験に基づいて設計されています。 インストロンでは、作動圧力280bar(他の作動圧力、例えば210barも可能です)において、公称流量26 l/min.から365 l/min.までの規格に準拠した6種類の油圧ユニットを揃えています。 油圧ユニットは、より大きな流量を実現するため共に組み合わせて用いることができ、大きな作動油タンクを共有します。各々のモータやポンプは、経済的な稼働を可能にするため、個別にオンオフすることができます。
クラスA級の効率的なモータは、様々なポンプと組み合わせることにより最高のエネルギー効率を可能にするとともに、280barの標準作動圧力は210barシステムと比較して、一段の効率向上をもたらします。
全てのキー部品は、必要なサービスを最小化するよう設計されており、検査や予防的メンテナンスを容易に行うことが可能です。オプションのポンプ・マネジメント・システムは、多数のポンプの稼働時間をバランスさせることができ、いっそうメンテナンス時間とコストを最適化することができます。 集中油圧供給設備に対しては、ラボの個々のニーズに適合するテーラーメードのソリューションを用意いたします。この場合、中央作動油タンクを活用してモータとポンプのユニットのサイズおよび個数を効率的に最適化することができます。
インストロンの油圧ユニットの基本的特徴を次に示します。:
- 流量制御が連続的に可変であるため、低エネルギー消費
- 一定した作動圧力(290barまで調整可能)
- 作動油の高圧ライン濾過
- 9ピストンのアキシャルピストン設計による堅牢な自吸式ポンプ
- 極めて低い容積脈動
- キャビテーション効果の回避
- 多段階防振による非常にスムースな運転
- 制御エレクトロニクスとの完全で容易な接続
- 作動油の水冷(オプションとして空冷)
- 直接および/またはリモートコントロールによる運転
- メンテナンスを最小にしサービス性の良い設計
部品の試験では、一定数の決められたアクチュエータによって作動する試験システムだけでなく、試験設定を拡大、置き換え、または修正することが可能なように高い柔軟性が求められます。このような必要性に対応するために、モジュール方式で機能ブロックを構成できるようなシステムを開発しました。機能ブロックは、下記のような作業を実施する必要性に応じて、様々な機能ユニットを組み合わせて構築できます。
- 油圧動力のオン/オフ切換え
- 設定モードにおける低流量および低圧の予備充填
- 公称圧力への圧力増加
- エネルギー節約と要求箇所のみへの配分
- 低減かつ限定された運転圧力および流量
- 圧力解除