課題

各試験軸に対して求められる性能範囲を達成するためには、アクチュエータとサーボバルブは、正しいサイズで設定されなければなりません。様々な試験において、動的荷重や変位、試験振動数、比速度等、異なる性能が求められます。サーボバルブの種類とサイズは、要求事項に従って設定された性能レベルにおいて良好な制御精度を得るために重要な役割を担っています。従って、どの試験システムの設計においてもサーボバルブはキーとなる部品です。

インストロンのソリューション

インストロンでは、広範囲の試験アプリケーションに対応し、Hydropulsリニアおよびロータリーアクチュエータに適合する、毎分5リットルから2400リットルまでのサーボバルブのラインナップを用意しています。

毎分60リットルまでについては、機械的かつ電気的フィードバックの各種2段サーボバルブを、インストロンの仕様に従ってご提供しています。単一のアクチュエータに4基のバルブを設置できるマニホールドが用意されており、アクチュエータ1基あたり毎分250リットルまでの高応答性能を達成できます。

毎分250リットルから2400リットルまでは、各種3段サーボバルブを開発しています。これらのバルブの特徴は、Hydropulsアクチュエータと組み合わせることにより、試験アプリケーションにおいて可能な最高性能を発揮できるように最適化されています。特殊な制御性能が必要なアプリケーションに対して、これらのバルブの特殊バージョンも用意されています。

ダンパー試験のようなアプリケーションでは、高速度と低速度の両方で正確な制御が必要ですが、1つの制御チャネルに3段および2段バルブの両方を設置して、スイッチングマニホールドにより必要なバルブを選択することができます。

2段サーボバルブ

第1段バルブでは、低エネルギーの入力電気信号が、差圧信号に変換されます。差圧はスプールの変位を生じ、スプールは、油圧エネルギーの流量の形で、有効な動力を制御します。油圧サーボ試験設備に対する要求として、サーボバルブは、高周波数領域における線形周波数応答特性を持つ必要があります。

4基のサーボバルブを並列に接続することにより、この動力容量を増加させることが可能です。高エネルギー流量を制御する場合は、インストロンでは3段サーボバルブを採用して有効動力2.2MWを出力できるユニットを開発しています。

3段サーボバルブ

大断面積の2番目のスプールが、小さな2段サーボバルブに装着されています。2番目のスプールの位置は、Hydropulsアクチュエータのピストン面積に作用する作動油の供給および戻りの流動抵抗を決定します。スプール位置は、変位トランスデューサにより測定され、PDコントローラと予備制御サーボバルブによって制御されます。この電気的フィードバック方式を活用することにより、3段サーボバルブは、ほぼ、その予備制御バルブの周波数特性を実現します。

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