ハイドロゲルの引張試験

課題

Hydrogel Tensile

ハイドロゲルの最も一般的な試験は、引張試験と圧縮試験で実施されています。多くのハイドロゲルは変形しやすく、負荷に対して簡単に圧縮できるので、ハイドロゲルの圧縮試験は余り問題になりません。ハイドロゲルの引張試験における変形は、この材料をグリップすることが難しいうえに、高い伸びを示すので多くの問題を生じます。ハイドロゲルを大きすぎる圧力でグリップすると、しばしば材料がグリップ面から抜け出るので、効果的にグリップで掴むことができません。さらに、ハイドロゲルの柔らかい性質を考えると、通常の接触式伸び計は現実的な機器の構成ではありません。また、この材料は粘弾性的性質を持つため、試験速度は破断荷重や破断伸びなどの試験結果に大きな影響を与えます。

インストロンのソリューション 

Hydrogel Tensile Testing

圧縮や引張りでハイドロゲルを試験する場合、破断強度は一般的に100N以下です。ハイドロゲルの機械的試験において荷重が低いことを考慮すると、正確なロードセルを用いることが大切です。圧縮試験では特に多くの方が、圧縮盤が試験片に接触して始まる試験過程で、ロードセルに過負荷がかかるのではないかと心配して低容量のロードセルの使用を控えることがあり、測定に問題が生じることがあります。これを防ぐために試験片の安全リミットを設定し、ロードセルの容量を試験終了の判断基準とするようにソフトウェアを設定することが必要です。引張試験用にインストロンはスプリング装備のネジねじ式サイドアクショングリップ空気圧式サイドアクショングリップなど、さまざまな低荷重用グリップを用意しています。ハイドロゲルの変形しやすい性質によるグリップのすべりの解消は、グリップの接触点における摩擦を増大させるために、しばしばサンドペーパーを用いることが必要になります。特に、正確なひずみ測定が要求されるときは、インストロンの高性能ビデオ伸び計を使うことを推奨します。