リードフレームとワイヤボンドの引張試験
IPC TM-650 | ASTM F459-13
容量や抵抗、集積回路(IC)等の様々な電子パッケージに使われるリードフレームは、ダイと基板の間を電気的に相互接続するために用いられています。部品によっては、1つか2つのリードを持つものもあれば、ICチップのような他のパッケージでは、数百のリードを持つものもあります。このようなリードフレームは、ハンダペースト材料によって接合されています。信頼性試験の1つとして、ハンダ接合部におけるリードの接合強度を試験することは重要であり、どこで破断が生じるかを良く把握することができます。新しいリードフレームや最終の組立製品を開発するにあたり、引張試験を実施することにより、金や銅等の広範な材料の特徴が明確になります。リードフレームの引張試験における、最も典型的な問題は、正確なグリップ方法、パッケージや部品のアラインメント、プリント回路基板(PCB)のグリップ方法、そしてリアルタイムのデータ採取とともに破断位置の特定に関わることです。
インストロンの マイクロ空気圧式グリップは、引張試験用に正確な位置でリードフレームを保持できるように設計されています。ワイヤ引張用フック等の他のグリップも用意され、リードフレームを正確に軸合わせするとともに保持することができます。XY ステージは、どのような剛性または柔軟性をもったプリント回路基板でも、正確に装着し位置合わせできるように設計されています。このようなステージにより、マイクロメータを用いてX Y軸とともに回転角度θを合わせることができ、細かいピッチ配列のマイクロ部品を容易にグリップすることができます。XYステージについては、手動タイプの他、リードの引張試験を完全自動化できるモーター駆動タイプもあり、高度な正確性と再現性を確保できます。Bluehill UniversalソフトウェアにおけるTestCam(試験用ビデオ装置)モジュールは、試験中に高速のコマ数でビデオ撮影を行えるように設計されています。カメラは、ソフトウェアと同期させることができ、様々な試験ポイントで画像とビデオをリアルタイムで観察することができるよう設計されています。Bluehill® Universal ソフトウェアでは独自の計算手順を導入して、荷重対変位、応力対ひずみ等の、目的用途に必要な、様々な対応関係のグラフを表示することができます。リードの引張試験では、ソフトウェアを活用して、リードフレームをハンダ接合部から破断するのに必要な最大荷重を決定するために、荷重対変位曲線を表示することができます。